第16回ＢＥＬＣＡ賞ベストリフォーム部門表彰物件

アーバンBLD心斎橋

所在地：大阪市中央区西心斎橋1-5-5
竣工年：1981年
改修年：2004年
用途：（改修前）事務所（倉庫・駐車場も含）
　　　　　　（改修後）事務所（物販店舗も含む）
所有者：�潟Aーバンコーポレイション
改修設計者：�潟vランテック総合計画事務所
改修施工者：大成建設��

　大阪御堂筋周防町西心斎橋の街角の景観が一変した｡
　築23年になるテナント稼動に苦しむ生命保険会社の不動産オフィスビルが買い取られ、低層部に新たな外資系IT企業の展示販売のテナントを迎え、ステンレスパネルとガラスカーテンウォールの商業地区の新しい顔となった｡
　このケースは最近の傾向であり全国各地に現れている現象でもあり、あまりコストをかけないリノベーションによる最大限の新しい価値を再生している｡
　カーテンウォールのアルミ横ルーバーは、ライトアップ効果も加えて、昼夜を問わず心斎橋の新たなランドマークとなりえている。
　内外装の改修はテナントが営業しながら行われている｡
　窓面から２ｍの区画された工事、テナントの玉突きによる改装がなされ、騒音・引越し等によるテナントの最大限の協力が得られて行われている｡各フロア改装時には、耐震改修の為の制震ダンパーの設置もなされている｡
　外装の更新に加えて、エントランスホールから各階の客用の共用部は、新しいデザインによる快適な改修がなされる一方、裏方は既存ビルの仕様がそのまま生かされ、設計者の巧みなコスト感覚に脱帽する｡
　設備的には、社会的なニーズ対応を考慮し熱源を変更し、空調システムを個別空調に更新し、既存のダクトを上手く利用して換気設備としている。これらに伴い、受変電増設もＩＴ関連にも対応できる容量に増設して機能向上を図ると共に、テナントフロアのＯＡフロアー化が図られている。
さらに、バリューアップした外装カーテンウォールでは化粧横ルーバーで空調の負荷低減を行い省エネに貢献している。防犯面での個別単位セキュリティー、各階事務室の機械排煙設備新設はテナント満足度を一層高め建物価値をあげている。又、水廻りの改修もモダンで快適なデザインが施されている｡
商業施設や不動産ビルは時代の変化に敏感であり、建物もそれに合わせて新陳代謝してゆく。低層階のキーテナントは10年契約とのことで、10〜15年後又新しいリノベーションがあるともいえ、その時の更なる新しい改装がなされ新しいファサードが生み出されてゆく。変化してゆく都市景観を楽しみにしている｡