第15回BELCA賞ベストリフォーム部門表彰物件
新潟日報社 ニュースセンター
所在地 新潟県新潟市善久772-2
竣 工 1992年
改 修 2004年
用 途 事務室、会議室、CPU室、休憩室、食堂(改修後)
新聞印刷工場、発送梱包室(改修前)
所有者 叶V潟日報社
改修設計者 清水建設一級建築士事務所
改修施工者 清水建設
兜沒c組
本建物は新しい印刷センターの建設に伴い不要となった平成4年竣工の旧新聞印刷工場を一部増築も含めニュースセンター(編集・製作局オフィス)へとコンバージョンしたものである。
当初は新印刷工場の稼動に続くニュースセンターの建設については旧印刷工場を解体撤去し新築する案でスタートした。しかし、新潟日報社の「OBの方々が心血を注いで建設し事業的にも苦しい時期を乗り越えた工場」との思い入れが強くはたらき、オフィスとして再生されている。
改修計画のポイントは、撤去した2セットの輪転機の基礎を新設柱基礎に利用し、上部3層吹抜に2層の床を新たに設けオフィススペースとして活用。構造的に旧工場は積載荷重が大きく、地震時の液状化対策として靱性の高い場所打ち杭を採用してあり、今回の用途変更により積載荷重が低減され特段の躯体補強はしていない。
2階の編集局は業務上から情報化対応と余裕のある空間が必要とされ、1500uのスペースを20cm高のOA床とし床吹出空調により4.2mの既存階高のなかで3mの天井高を確保し快適な執務環境を演出している。
空調熱源を隣接地に立地する印刷センター〔夜間にピークが出る〕と共有しているので、昼間と夜間にお互いの熱負荷ピークがずれることにより、水蓄熱槽を含め熱源機器の使用効率を高めると同時に熱源総容量を大幅に低減している。空調のきめの細かい温度管理や照明の点灯制御等を通じた省エネルギーへの取り組みも評価出来る。今後も設備維持保全に関しては、積極的な対応がなされるものと期待出来る。
地域に密着した新聞社として、新聞制作の様子を上流から実際に印刷されるまでを見学出来るプランとしたことにより、地元の小中学生、各種団体、視察団等多くの見学実積があるとのこと。また建物のリフォームとは離れるが、撤去された旧輪転機は韓国にて再利用されているとの話は喜ばしいことである。