株式会社日建設計


■会社情報

本社所在地
102-8117
東京都千代田区飯田橋2-18-3
ホームページ
http://www.nikken.jp/ja/
事業内容
 日建設計は、社会環境デザインの先端を拓く専門家集団として、設計・監理、都市計画を中心に、建築と都市のライフサイクル全般にわたる調査・企画・コンサルティングを行う総合設計事務所です。


 

 

■ビルのロングライフ化に向けた取組み
 
@取組みの基本方針
 「ビルのロングライフ化」というと、現在使っている建物に対しての保全的な業務に目が行きがちですが、日建グループは、建物の企画段階、設計段階といった初期の段階からの継続的取り組みが重要だと考えています。
 建物に関する各フェーズ「企画立案・設計・建設・運用・改修」を通じて、クライアントと共に長期間継続して、建物のハード面、運用面、財務面などの多面的な視点からの取組み、理想的な状況で建物利用をサポートしていくことがロングライフ化の基本です。
 日建グループでは、このような視点で、プロジェクトをフォローしていくこと「ライフサイクルデザイン(LCD)」と呼び、日建グループ会社 8社で連携し、総合かつ継続的に設計・監理、コンサル、サポートを行っています。
建物の「企画立案・設計・建設・運用・改修」のフェーズを総合的に考えた「ライフサイクルデザイン(LCD)」の視点で、取り組みます
 ビルのロングライフ化は、個々のポイントでの対応では十分ではありません。
 建物の計画を考え始めた時点から、設計・施工、完成後の運用段階、保全、改修、建物調査、エネルギーコンサル、リニューアル設計等 の建物に関して必要となる各フェーズについて連続的に考えた取り組みをします。
建築物を資産として有効利用し、経営戦略としての最適化できること目標に取り組みます
 目的は、クライアントの経営資源としてのファシリティを、財務面を含め最適な状態とすることです。その結果、単なるビルの機能的延命でなく、価値を保持したビルのロングライフ化になります。その目的に必要なすべての業務を提供いたします。
環境・省エネルギーの視点から建物の運用の最適化を図ります
 建物をLCCの視点でとらえるとエネルギー費用の比率は約35%と大変多くの部分を占めます。また、地球環境、都市環境の視点からもエネルギー使用及びCO2排出の低減が求められます。エネルギーコンサルの視点で、調査診断を行い、運用の最適化を図り、LCCの低減手法を提供します。
改修:最新仕様へのアップデート化、品質の高いビルとして再生を図ります。
 ニューヨークの初期超高層ビルは、ほぼ築85年、日本の初期の高層オフィスビルも、築約50年となります。建物を、80〜100年程度使うことがめずらしくなくなる時代がすぐそこまできています。新築ビルの設計実績をベースに、最新仕様のビルにアップデートを図るバリューアップリノベーションに取り組みます。


Aビルのロングライフ化に関係する事業
 日建設計は1900年に創業し、日建グループは25,000件を超えるプロジェクトと通してクライナントの信頼を得ています。これら実績をもとに意匠・構造・設備・積算・都市開発・FM・PMなど様々な分野の技術を持つエキスパートで建物に関するワンストップサービスを実現します。

1.基礎調査?戦略構築?ブリーフィング
    戦略構築支援
    企業の環境戦略・環境目標策定支援
    事業性検討・ボリュームスタディ/建て替え・改修比較分析
    LCC(ライフサイクルコスト)検討

2.設計・施工
    設計・監理
    ワークプレイスコンサルティング、インテリア、ランドスケープデザイン
    プロジェクトマネージメント
    コストマネージメント

3.運用・調査診断・課題発見
    市場分析・競合分析
    中長期保全計画策定/遵法性調査/耐震診断/設備診断/建物調査
    省エネ関連コンサルティング(LEED・CASBEE・トップレベル事業所認定支援
    BCP作成支援/省エネルギー診断)
    クラウドデータベース『NSi2』による運用支援
    管理運営業務最適化

4.リニューアル・リノベーション・利活用方策・出口戦略
    保有資産利活用戦略
    アップデートリノベーション構想検討業務
    改修設計・監理/改修工事コンサルティング
    耐震改修設計・監理
    省エネルギー・低炭素化改修設計
    エンジニアリングレポート


Bビルのロングライフ化に関係する資格者
●BELCA資格保有者数201511日現在)
建築仕上診断技術者 4人
建築設備診断技術者 1人
建築・設備総合管理技術者 1人
●その他の資格者数
・1級建築士・技術士: ホームページをご確認ください
http://www.nikken.jp/ja/firm/outline.html
・建築設備士 209
・建築構造士 28
・建築設備検査資格者 13
・CASBEE評価員 72
・エネルギー管理士(熱/電気) 7
・電気主任技術者(第2種/第3種)   8
・情報処理技術者 11

Cビルのロングライフ化に関係する技術

●アップデートリノベーション構想検討業務

 「アップデートリノベーション」とは、既存ビルを最新建物の水準にリノベーションによって再生を図ることです。築20〜30年建物(建物大規模改修を行う前)に、築50年程度まで建物が、第一線のステイタスであり続けるために必要な戦略的なリノベーションを低提言を行います。意匠、構造、設備、環境の全分野に対して、保全に加え、現在の最新のスタンダードを見据え、積極的な建物のアップデート、バリューアップ、最新技術の導入をはかり、競争力のある建物への回復を目指して検討を行います。

●全フェーズを通じて使えるマネジメントツール

◆クラウドデータベース『NSi2』
 クライアントと建物のエネルギー、保全営繕情報を共有するカルテ機能を持ち、高度なコンサルティング(中長期保全計画、LCC、エナジーサポート等)、LCD、将来まで建物運用を支援するツール。

●基礎調査・戦略構築関係

◆事業性検討・ボリュームスタディ
 事業着手時に、敷地条件等についての調査に基づく、ボリュームスタディ行います。敷地のポテンシャルを最大限に活かす計画とすることで、経済的に長寿命な建築を実現します。
◆市場分析・競合分析
 建物の計画段階において、市場分析・競合分析を行い、市場におけるポジショニングを明確にし、必要十分なスペックを計画します。このことにより、性能面での陳腐化を低減することが可能となり、建物の長寿命化を図ります。
◆環境戦略構築
 建物の計画段階において、市場におけるポジショニングを検討するにあたっては、環境面での戦略構築も重要です。企業としての環境戦略に対応した建物の環境性能の目標設定、テナントを想定した環境ラベリングの目標設定、ファイナンス面のメリットをもたらす環境戦略など、計画の初期段階における環境戦略構築は、これからますます重要になります。

●マネジメント関係

◆建物運用に係る包括的な技術支援
 建物の運用を効率的に行うことは、建物を長期的かつ有効に活用するためには極めて重要です。エネルギーコストや維持管理コスト、修繕コストなど、ベンチマークを活用した分析により問題を発見し、対応を図ることで効率的な建物運用を実現します。
◆バリューアップ戦略構築
 建物の運用段階においては、陳腐化による定期的にバリューアップを行うことが必要です。ただし建物の仕様や立地環境により効果が異なるため、市場動向を踏まえた効果的な戦略構築を行います。
◆建替/改修比較評価
 例えば、耐震性に課題があり、耐震改修を行い活用し続けるか、建替かの判断を迫られる場合があります。財務的な手法を活用し、建替期間中の収入減や、逆に建替による効用の増加によるメリットなどを組み込むことで、精緻な比較評価が可能となります。これにより長期に活用するという意思決定が可能となり、再投資が行われ、結果的に長寿命な建物を実現することができます。
◆保有資産利活用戦略
 複数の資産を保有する場合において、内部価値と外部価値の視点から資産群を評価し、保有資産の利活用戦略を構築します。この戦略構築により、結果的に必要十分な資産群を保有することとなり、施設の活用度が向上し、ストックが有効に活用されることとなります。

●構造関係

◆地震被災度判定システム(NS MOS)
 地震時の建物の揺れや損傷状態をリアルタイムで推定し、地震後の被災度状況や建物の安全性を迅速に判定して、情報をご提供するシステムです。新築建物ばかりでなく既存建物へ導入することも可能です。
◆当該敷地での設計用入力地震動の作成(NS WAVE)
 建設地に影響が大きい断層等の震源や敷地の地盤条件を個別に考慮し、オーダーメイドの地震動(サイト波)を作成します。この入力地震動を用いて地震時に建物がどのように揺れるかのシミュレーション(振動応答解析)を行い、建物毎に個別に耐震安全性を詳細に検証することが出来ます。
◆既存超高層ビルの耐震性検証
 主に、2000年の建築基準法改正以前の既存超高層建物を対象として、告示波やNS WAVE(サイト波)を入力し、長周期地震動に対する性能も含めた耐震安全性を詳細に確認します。所要の耐震性を満たさない場合には、耐震改修計画も行います。
◆耐震診断・耐震改修設計
 主に1981年以前の旧基準法で設計された建物が、現行基準法並みの耐震性を有するかを確認します。設計図書の照査や耐震診断計算に加え、現地での建物調査も実施して総合的に安全性を判定します。耐震性が不足する場合にはその問題点を慎重に分析し、建築主のご要望に合わせて最適な耐震改修対策をご提案します。
◆地盤調査・液状化対策
 建設地の地盤構成、支持層深さ、地下水位等を確認し、建物の基礎構造計画や地下仮設計画の資料とします。入力地震動作成のために動的な詳細調査を行う場合もあります。なお、地震時の液状化現象の危険度判定や、液状化が生じる場合には対策工法の検討提案も行います。

  ●設備関係

◆自然光や自然換気の利用
 光ダクトシステム、昼光利用システム、自然換気システム、太陽光等、できるだけ自然を利用した設備システムを提案します。
◆負荷の平準化
 改修に際しては、熱システム、コジェネレーション等エネルギーの負荷平準化を検討します。
◆BCP対策
 大規模災害発災時の業務持続性を考慮した、改修案を提案します。
◆最適な省エネシステムの構築
 既存設備のデータを解析して、既存の設備の利点を生かしながら、最新の技術を導入し、最適な省エネシステム改修案を提案します。
◆無駄のない改修工事の提案
 既存設備の再利用可能な部位を活かしながら無駄のない最適な設備改修を計画します。
◆設備の耐震化
最新の知見を活かして設備の耐震化を進めます。
◆設備の2次診断
 配管のレントゲン調査、抜管調査など、2次診断のコンサル業務を行います。

  ●環境関係

◆省エネを実現する「エネルギーコミッショニング」
 建物のエネルギー性能に対する実現条件と目標値を定め、エンジニアの視点で、設計、施工及び運用状態をレビューし、適宜、処方箋を作成して目標値の確実な達成を支援します。エネルギー費用の無駄を解消できます。
◆エネルギー性能を定量的に評価する「LCEMツール」
 建物の省エネルギーを実現するためには、季節変動要素を大きい空調システムのエネルギー性能の適正値を知ることが重要です。国土交通省から公開されているLCEMツールを活用して、対象建物の空調システムをモデル化し、現在の空調システムの問題が発生している箇所の特定と改善効果を把握することが可能です。
◆遠隔でエネルギー性能を評価する「Intelligent BEMS
 建物のエネルギー性能を分析するBEMS(Building Energy Management System)   は分析能力を有するエキスパートが扱うことで機能を発揮します。
 「Intelligent BEMS」は、建物のエネルギーデータをクラウド化し、NSRIが遠隔でLCEMツールを用いて分析し、運転管理者にわかりやすい処方箋を発行します。
 建物にBEMSを設置しないので建設費と運転費の双方を低減することが可能です。

Dビルのロングライフ化に関するその他の情報

 日建設計は、長年にわたるビルのロングライフ化への取組について、2015年現在で、BELCA賞・ロングライフ賞28件、ベストリフォーム賞22件を受賞しています。
 ・パレスサイドビル(第1回 ロングライフ賞)

 ・東京タワー(第18回 ロングライフ賞)

 ・ホテルニューオータニ本館(第18回 ベストリフォーム賞)