機関誌「BELCA NEWS」
最新号のご案内
当協会では、建築物のロングライフ化に関する情報の交流の場として、会員や関係団体等に向けて 機関誌「BELCA NEWS」を発行しています。
BELCA NEWS 2025年1月号(No.191)
特集「免震・制振による建物改修」
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令和6年1月15日に政府地震調査研究推進本部が公表した主な海溝型地震の評価結果によると、今後30年の間に南海トラフ地震(M8~9)が発生する確率は70~80%、宮城県沖などではM7級の大地震が30年以内に90%の確率で起きるとされています。さらに、令和4年5月の東京都防災会議では首都直下地震(M7)が発生する確率は約70%と公表しており、より一層、大地震への対策はわが国における持続的社会の形成に向けた最重要課題のひとつとされています。
建物に関する主な対策は、耐震・免震・制振の技術を導入することが基本となりますが、近年では工事を実施する際には多くの点に配慮することが求められています。改修工事に関していえば、既存建物の使いながら工事の実施をはじめ、環境配慮や歴史的価値を有する意匠を守るといったことも重要なポイントと認識されてきています。
これらに配慮していく際に多く用いられているのが免震改修であり、事業継続性の確保においても有効であるため様々な用途の建物に採用されています。建物所有者や利用者の安心・安全を確保するだけではなく、建物の価値を守り、あるいは高める地震対策は建物のロングライフ化において重要なことであるといえます。
そこで、さまざまな用途での免震・制振による建物改修について特集しましたので、今後の地震対策の設計・企画において参考となれば幸いです。
次号予告
BELCA NEWS 2025年4月号(No.191) ※2025年4月下旬発行予定
特集「木造・木質化」
脱炭素社会の進展やカーボンニュートラル達成を目指す動きの拡大等、サスティナビリティに配慮した企業活動・経済活動が急速に進むなか、炭素蓄積量や環境配慮の観点から建築の木造・木質化が進められています。
令和6年3月に林野庁が公表した「令和5年度建築物における木材の利用の促進に向けた措置の実施状況の取りまとめ」によると、令和5年度の木造建築物の床面積ベースの着工状況は、3階建て以下の低層住宅の木造率は82.6%、低層非住宅建築物の木造率は14.7%、中高層建築物の木造率は住宅・非住宅ともに0.1%以下となっており、未だ非住宅分野や中高層建築物の木造率は低位にとどまっていることが報告されています。
今後、新設住宅着工戸数が減少していくと言われる中で、建築物への木材利用を拡大していくには、木造・木質化が十分に進んでいない非住宅分野や中高層建築において新たな木材需要を創出していくことが大きな課題として挙げられています。
しかしながら、近年、非住宅・中高層建築物の木造・木質化においては、徐々にですが萌芽的な取組みがみられるようになってきました。そこで本号では、最新の木造・木質化の普及に向けた取組みや維持管理の事例、今後の展望をまとめましたので、持続可能な社会の形成に向け皆様のご参考となれば幸いです。
※内容は予告なく変更となる場合があります。