第23回BELCA賞ベストリフォーム部門表彰建物 |
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たまむすびテラス (りえんと多摩平、AURA243多摩平の森、ゆいま〜る多摩平の森) |
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所在地 |
東京都日野市多摩平3−1−6〜8 |
竣工 |
1961年(昭和36年) |
改修年 |
2011年(平成23年) |
建物用途 |
シェアハウス、菜園付き共同住宅、高齢者向け住宅、介護福祉施設(改修後) 共同住宅 (改修前) |
建物所有者 |
独立行政法人都市再生機構 |
改修設計者 |
潟潟rタ、潟uルースタジオ、潟vラスニューオフィス、泣Iンサイト計画設計事務所 |
改修施工者 |
樺キ谷工リフォーム、鰍bMC、大和小田急建設 |
たまむすびテラスは住戸の大量供給に向け戦後建設された初期の郊外型団地で、都市再生機構の団地再生事業の一環として築50年を経過した多摩平団地の建て替えで空き家となった住棟を公募により再生活用した事業である。 5住棟を3区画に分け、3事業者へのスケルトン貸しにより、この団地の有する豊かな外部環境を継承しつつ、新しい時代に適う集合住宅として改修されている。 事業はシェアハウス「りえんと多摩平」、菜園付き賃貸住宅「AURA243多摩平の森」、高齢者専用住宅「ゆいま〜る多摩平の森」の3タイプで構成され、若者から老齢者まで多世代にわたる新たなコミュニティー作りが事業間相互の関係性を持たせている。 シェアハウス「りえんと多摩平」では3室1グループの居住ユニットにミニキッチンとトイレが設置され、1Fにはコモンラウンジ、シャワールーム、ランドリーなど共用スペースを配置し、ラウンジは緑豊かな中に周辺地域とも交流の持てるテラスに開かれるなど、居住者が集まり活発なコミュニケーションができるよう設計上の工夫がなされている。 なお、オープンな共用スペースへの改修のため住戸壁の一部撤去や壁開口による耐震壁量の減少に対しては壁の打ち増し補強により十分な耐震安全性が確保されている。 「AURA243多摩平の森」では時代に合わなくなった狭隘な3DKを広々としたリビングを持つ小世帯向きの1LDKに改修した。3区画の中で最も豊かな空地を持つ特性を生かし、ウッドテラスと専用庭付きの1階住戸や、貸し菜園、小屋付きの貸し庭、イベント開催のできる「AURAハウス」等を設けて、居住者、自然、近隣が交われるよう工夫されている。 高齢者専用住宅「ゆいま〜る多摩平の森」では、住戸内は車椅子でも利用可能な水回りや緊急通報ボタンの設置など行い、外部はスロープや外部片廊下とエレベーターの新設などバリアフリー化が図られている。また、併設して小規模多機能型居宅介護施設と集会室・食堂の増築が行われ、高齢者にとり安心・快適なコミュニティーと生活空間作りに配慮された改修がなされている。 3事業区画を繋ぐランドスケープは50年の歴史を継承するケヤキや桜並木を活かし、緩やかに蛇行する小道とその結節点への「かたらいのテラス」や駐輪ベンチ等の屋外ファーニチャーの配置等により、居住者と地域住民に変化のある自然で心地よい豊かな環境とコミュニティーの場を作り出している。 環境配慮改修においては、ベランダに置かれたプランターにて育成される緑のカーテン(育成中)、ペアガラスを用いた建具のアルミサッシ化、断熱性能の強化等、環境と省エネ性能についても十分に配慮されている。また、住宅設備では、IHクッキングヒーターとエコキュートの採用によるオール電化住宅となっており、安全性と省エネを兼ね備えた構成を実現している。 維持管理では3事業者がそれぞれ賃貸借期間での事業内容に見合う維持保全計画を作成し、外構等の共通部分については相互に協力・調整し、事業主、運営会社、管理会社の明確な実施体制のもとに行なわれている。 このように、社会資本として蓄積された団地を、スクラップアンドビルトではなく、特性を活かし時代のライフスタイルに適う多世代にわたるコミュニティーを創造しており、こうした新たな価値を吹き込む改修スキームは今後の団地再生の優れたモデルケースとして高く評価することができベストリフォーム部門のBELCA賞に値する。 |
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