第23回BELCA賞ベストリフォーム部門表彰建物 |
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大阪大学会館 |
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所在地 |
大阪府豊中市待兼山町1-1 |
竣工 |
1928年(昭和3年) |
改修年 |
2011年(平成23年) |
建物用途 |
学校(大学) |
建物所有者 |
国立大学法人 大阪大学 |
改修設計者 |
大阪大学、轄竭q建築研究所、兜ス田建築構造研究所、 叶V日本設備計画、鞄本設備綜合研究所 |
改修施工者 |
活タ藤・間、旭日電気工業梶A柳生設備 |
大阪大学会館は昭和3年(1928年)に旧制浪速高等学校の校舎として建設され、学制改革により大阪大学に移管され、大阪大学の創立当初から現存する建物で、平成16年(2004年)に国の登録有形文化財建造物に指定された。平成23年(2011年)の大阪大学創立80周年の節目を迎えるにあたり「阪大人の共通の思いを寄せる施設」「大阪における学術の伝統を受け継ぐシンボル」として大阪大学会館として再整備された。 本建物に残された資料は少なかったものの、外装は特徴的なアールデコ様式の意匠、外観の保存を図りながら省エネ、バリアフリー改修、耐震改修を行い建物の基本性能の向上を図っている。外壁の色についても幾度にも渡る改修された塗装を撤去して竣工当時の色調を調査したり、卒業生に対して記憶の調査を行うなどして、オリジナルに近い色調に再現している。 内装については、@竣工当初の空間の骨格、意匠の保存を優先し最新の機能を導入するエリア(講堂、ホワイエ、エントランスホール、階段等)、A竣工当初の空間との意匠的連続性を配慮したエリア(アッセンブリー・ホール、貴賓室、会議室等)B最新の機能を優先しつつ歴史的意匠との調和を図ったエリア(研究室、資料室、スタジオ等)と大きく3つのエリアに分け、明確な改修方針を設定して全面リニューアルを行っている。 建築設備等は全面的改修を実施している。受変電設備・講堂の空調機・受水槽などの重量設備は建物外に設置し設備配管、配線用のPS・EPSは新たに設定され、将来予想される増設・更新・メンテナンスが容易な計画にしている。環境対策や省エネルギーは予測シミュレーションにより照明設備は高効率照明器具のLED照明・Hf蛍光灯を採用し大幅な使用電力量の削減が図られた。さらに講堂にはLED照明により省エネルギー効果の高い光天井が設置された。太陽光発電設備の設置による発電量は大阪大学会館の予測年間使用電力量の50%相当の予測である。照明設備と太陽光発電設備の効果を合わせてCO2排出量は69%削減が予測される。空調設備は講堂の大空間に置換換気空調システムを採用し、換気量を抑えた省エネルギー空調を実現している。 今後も大阪大学の歴史を担う建物として長く保存・活用されることを期待したい。 |
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